易しくないコンピュータ言語学

目次

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はじめに

1. 言語学が関与する環境

1.1 言語学が生まれた経緯

1.1.1 狭い言語環境に居ると言葉数が少なくて済む

1.1.2 言語は文化的な侵略の武器になること

1.1.3 外来語の輸入は語彙を増やすこと

1.1.4 言語と民族とは関連を持つこと

1.1.5 声を文字で表すことは難しいこと

1.1.6 音声を直接扱う研究は難しいこと

1.1.7 複数の言語環境の場では公平な言語学が必要になる

1.2 道具としての文字

1.2.1 言葉を音のまま研究対象にすることは難しい

1.2.2 文字の並べ方にも言語による違いがあること

1.2.3 漢文訓読という文体が表れたこと

1.2.4 英訳には翻訳調の文体があること

1.2.5 文字は形を持った道具と考える

1.2.6 部品に分ける単位が品詞であること

1.2.7 実用文書の書き方に応用する研究が必要

1.2.8 言葉は危険な武器にもなること

1.3 標準化と多様化

1.3.1 差別用語の扱いが難しい

1.3.2 官製の標準化があること

1.3.3 人工言語は標準化が意識される

2. 日本語文書の構造

2.1 読みの仮名表記

2.1.1 音節の単位と文字単位が異なること

2.1.2 漢字は一文字一音節であること

2.1.3 文字選択が多いので厄介であること

2.2 文体と口調

2.2.1 書き言葉も声に直して読むこと

2.2.2 格式を持たせる言い方があること

2.2.3 話し言葉で文書も書くこと

2.3 語順と向き

2.3.1 文字並びを時系列の記録として理解する

2.3.2 先回りで言葉を予測していること

2.3.3 文書は眼で見て先読みしていること

2.3.4 言語理解は複数の発声の同時進行がないこと

2.3.5 音楽の文書化が楽譜であること

2.4 標準的な語順

2.4.1 語順で重要なのは動詞の位置

2.4.2 直接目的と間接目的の語順

2.4.3 状態と性質を説明し補足する語が形容詞と副詞

2.5 語順の分解と組み立て

2.5.1 単語は多様に使い分けること

2.5.2 動詞も多様に使い分ける

2.5.3 数式は英語文章の一種であること

2.6 漢字熟語の語順

2.6.1 眼で見て確認する読み方をする漢字

2.6.2 二ヶ国語を混ぜて使っていること

2.6.3 熟語の作り方の規則が二つあること

2.7 作文指導法

2.7.1 言葉は発想と連想で出てくる

2.7.2 言葉を反芻して修正していること

2.7.3 英語の素養が必要であること

3. 名詞の話し

3.1 言葉を覚える過程

3.1.1 実物を見て名前を覚える

3.1.2 象形文字の価値を認識すること

3.1.3 読み易さを助ける漢字かな混じり文書

3.2 外来語は名詞扱いとする

3.2.1 漢字は第一義的には名詞扱いである

3.2.2 漢字を覚えるのは大仕事であること

3.2.3 漢字を悪者扱いすることもあること

3.2.4 カタカナ語の扱いの経緯

3.3 階層的な構造で使う名詞

3.3.1 同じものが複数あるときの総称が普通名詞

3.3.2 集合名詞の理解までには途中経過があること

3.3.3 抽象名詞の理解までにも段階があること

3.3.4 代名詞は名前を省略する言い方に現れる

3.3.5 物の名前は属性を含めて理解している

3.3.6 コンピュータ言語の中での名詞は定義と宣言で決める

3.4 修飾語として使う名詞

3.4.1 「何とか」の「何とか」と言う言い方

3.4.2 階層化した集合名詞の位置を区別する

3.4.3 日付と時刻の書き順も集合名詞の意識で使う

3.4.4 英語では順序を変えることがある

3.4.5 名詞を限定する方法

3.4.6 プログラミング言語は書き順の約束を覚える

3.4.7 構造体を扱うときは集合名詞を意識する

3.5 形容詞から作る抽象名詞

3.5.1 形容動詞の品詞分類は評判が良くない

3.5.2 用言の言い方は品詞分類法と矛盾する

3.5.3 「だ・です・である」はbe動詞の日本語版

3.5.4 「サ」を付けて程度を表す名詞にする

3.6 名詞から作る動詞

3.6.1 外来語はスル名詞から作る

3.6.2 スルを含む不思議な文

4. 動詞の話し

4.1 品詞に分けるときの動詞

4.1.1 日本語の動詞は活用させて別品詞としても使う

4.1.2 動詞の基本形があること

4.1.3 日本語の文法用語にこだわらない

4.1.4 音節が短い動詞

4.2 動詞が作る複合語

4.2.1 複合動詞の作り方

4.2.2 連用形で止めて名詞で使う複合語が多い

4.2.3 英語は句動詞の使い方がある

4.2.4 漢字2字のスル名詞は構成則が二種ある

4.3 英語のbe動詞に当たる動詞

4.3.1 動詞を静的な描写に使う

4.3.2 「だ」は助動詞であるのか?

4.3.3 別の動詞を受ける使い方

4.4 状態の違いを表す言い方

4.4.1 「相」と言う用語はあまり使わない

4.4.2 日本語動詞の「時制」は未然形と已然形の区別がある

4.4.3 自動詞・他動詞の区別が重要である

4.4.4 「態」「形」を使う用語の方が分かり易い

4.4.5 自動詞の受身形が無い理由

4.4.6 丁寧に言うとき自動詞の受身形がある

4.4.7 使役は自分に代わって誰かにしてもらうこと

4.4.8 可能形は主語が生物のときに使う

4.5 「態」の違いの表し方

4.5.1 送り仮名で助動詞の役目をさせる言い方

4.5.2 送り仮名の付け方で態を決まる

4.5.3 「照る・照らす」の使い分け

4.5.4 「走る・走らす」の使い分け

5. 形容詞・副詞・助詞の話し

5.1 修飾に使う語の分類

5.1.1 品詞分類法は恣意的な手段であること

5.1.2 形容動詞とは不思議な分類名であること

5.1.3 和語の形容詞の語幹に当てる漢字がある

5.1.4 「〜的」を助辞として使うこと

5.1.5 口調はよいが曖昧さのある言い方

5.2 形態素解析の位置づけ

5.2.1 形態素を意識するか・しないか

5.2.2 形態素解析が現れた経緯

5.2.3 表記と発音を区別する

5.2.4 ワープロの作業環境と使い方があること

5.2.5 ヘボン式と日本式

5.2.6 完全無欠な形態素解析を期待しない

5.2.7 学術論文を書くときのマナーがあること

5.2.8 文書の校正に使うときの辞書も要ること

5.2.9 言葉の発声と文書記録との相互交替が重要である

5.2.10 表意文字を使う言語表現は交替が難しい

5.2.11 JISの漢字コード系が決まった経緯がある

5.3 プログラミング言語の中の形容詞

5.3.1 形容詞と副詞は感覚を表す言葉であること

5.3.2 論理変数で言い換える方法を使う

5.3.3 論理計算の扱いが特殊になること

5.3.4 ワープロ本体作成のプログラミング

5.3.5 線図作成と濃淡図作成のグラフィックスソフト

5.3.6 感情形容詞の定量化の研究がある

6. 文書の作成技術

6.1 文書に作成する意義

6.1.1 言葉を文書にして残すこと

6.1.2 プログラミングのソースコードも印刷して残すこと

6.1.3 記録を残す目的だけの文書がある

6.2 言葉の理解から作文へ

6.2.1 作文教育は難しいこと

6.2.2 話し方の教育も難しい

6.2.3 文書の作成には三つの要素がある

6.3 文章の書き方

6.3.1 文字の物理的な並べ方を理解する

6.3.2 文単位での物理的な構成を理解する

6.3.3 言文一致は理想通りには実現できない

6.3.4 句読点の使い方が難しい

6.3.5 外来語の取りこみと表記法

6.3.6 眼で見ることを目的とする文書がある

6.4 書式

6.4.1 書式は用紙上の構成方法

6.4.2 書式の英語にフォーマットもある

6.4.3 印刷物の書式の項目は版組み指定に使う

6.4.4 広義の書式には文章の文体も含めます

6.5 体裁

6.5.1 文書全体のデザインが体裁である

6.5.2 綴じ方にも規則がある

6.5.3 大きな寸法の用紙は折り方を決める

6.5.4 実質で扱う文書は体裁を無視する

6.5.5 単純なプリンタは書式が固定されている

6.5.6 文字を図形として扱うプリンタ

6.5.7 モニタをプリンタの擬似装置として使う

6.6 組み版言語

6.6.1 編集用の記号文字付きの文書を使う

6.6.2 編集用のソフトウエアを使う

6.6.3 文字コードの問題が発生したこと

6.7 コンピュータリテラシーの教育

6.7.1 学問ではなく技能の教育として捉える

6.7.2 最初にテキストエディタの使い方を教える

6.7.3 ワードプロセッサで書式を整えさせる

6.7.4 Wordの原稿からHTML文書に落とす方法を教える

6.7.5 文書間のリンク方法を実習させる

6.7.6 期末試験は常識の確認に当てます

7. 外国語としてのプログラミング言語

7.1 英語の常識が必要

7.1.1 日本人は二段階の外国語の勉強をする

7.1.2 英語のマニュアルを訳しただけでは分からない

7.1.3 一つのプログラミング言語に執着しない

7.1.4 外国語を覚える定石

7.1.5 用語の意味と使い方に注意が必要であること

7.2 言語が使われる環境

7.2.1 対話する場所を意識すること

7.2.2 コンピュータ側が理解する語彙を知っておく

7.2.3 マウスとキーボードの併用作業は避けたい

7.3 動詞の意義と使われ方

7.3.1 自動詞と他動詞とを意識すること

7.3.2 目的語の並べ順で混乱が起こる

7.3.3 階層的な環境という概念がある

7.3.4 コマンドやステートメントの集合をファイル化する

7.3.5 数値計算を表す文書表現形式が二通りある

7.3.6 動詞の代わりに演算子記号を使う場合

7.3.7 割り算のCOBOL文が二通りある

7.3.8 プログラマが決める動詞的な用法がある

7.3.9 単語の文字数に長さの制限があること

7.4 データの定義と名前で宣言する儀式

7.4.1 変数に固有の名前をつけるとき

7.4.2 二次元配列は階層的な関係にある集合を表す

7.4.3 集合の集合と見出しの名前

7.4.4 下位の集合の構成要素に同名が現れることがある

7.4.5 C言語には構造体というデータ構成法がある

7.5 形容詞の扱いが必要になったこと

7.5.1 GUIの環境を構成するプログラミング

7.5.2 オブジェクトの定義と宣言の儀式がある

7.5.3 オブジェクトの性質を表すデータをプロパティという

7.5.4 乱数は適当な値を決める感覚形容詞の数値とする

8. 論理を表す文と式

8.1 文章論理と計算論理

8.1.1 文章で説明するときの言葉遣いの約束を考える

8.1.2 コンピュータ相手に言葉で説明する

8.1.3 ブール代数の登場が新しい論理学を開いた

8.1.4 論理演算子の記号については種々の提案がある

8.1.5 交換則が成立しない演算則は理解が難しい

8.2 比較を表す表現

8.2.1 数の大小関係を判定する式がある

8.2.2 文字列の比較と検索に使う演算子が提案された

8.3 普通の文章で使う言い回し

8.3.1 代名詞を使わない文書はくどくなる

8.3.2 助動詞の使い方

8.4 プログラミングに使われる修辞学

8.4.1 無生物を主語とする文は動詞を取らない

8.4.2 数値計算の判定には三分法も利用している

8.4.3 文章論理には否定と逆の言い方があること

8.4.4 日本の実社会では三分法が良く使われる

8.4.5 仮説を認めることには慎重であること

9. データベースと文字処理

9.1 図書館の利用

9.1.1 データベースは軍事用語であったこと

9.1.2 図書館学は情報科学であること

9.1.3 情報などの用語の意義

9.1.4 文書作成の次に保存と利用を考える

9.1.5 書物の利用形態は三種類

9.1.6 データベースは共同利用が本来の目的であること

9.2 文書の整理

9.2.1 倉庫を別に設ける習慣がなかったこと

9.2.2 整理法を教える組織的教育がなかったこと

9.2.3 データベースの管理はメモの整理である

9.2.4 カードを利用する整理方法

9.2.5 カード型データベースの利点と欠点

9.2.6 二足のわらじを履くような管理をする

9.3 文書の分類法

9.3.1 カードを使う私的な技法

9.3.2 分類に使うコード体系を理解する

9.3.3 シソーラスの作成が準備作業として必要

9.4 プログラミングする前の予備知識

9.4.1 ファイル装置との関連が重要である

9.4.2 ソフトウエアの機能を理解すること

9.4.3 ユーザインタフェースはオブジェクト指向プログラミングで作成する

9.4.4 プログラミング言語の拡張が図られたこと

9.5 注意して言葉を選ぶ

9.5.1 "構造:"structure"の用語

9.5.2 データ構成にはシソーラスを踏まえる

9.5.3 キーワードの絞込み

9.5.4 固有名詞を扱うときの例

9.5.5 リレーションを確立するために正規化をする

9.5.6 何をしたいかの問題意識を持つことから始める

9.5.7 挫折と失敗の歴史がある

10. データベース言語SQLの解説

10.1 データベースの概念の変化

10.1.1 データ集合と捉えるようになったこと

10.1.2 モデルと言う言葉

10.1.3 環境・システム・管理と言う全体概念を使う

10.1.4 共同利用をするためネットワーク技術が必要である

10.1.5 ファイル構造が特殊になること

10.1.6 個人の閉鎖的利用を考えたソフトもあること

10.2 問い合わせの儀式

10.2.1 SQLの語源

10.2.2 言語本体を設計するときは仕様書が要ること

10.2.3 SQLを埋め込み言語として使う

10.2.4 埋め込み言語のスタイルは特別ではないこと

10.2.5 クラスと言うプログラム単位が考えられたこと

10.2.6 定義と宣言との区別を使い分ける

10.2.7 一般ユーザにはデータベースを読み取り専用で使わせる

10.2.8 目的語は検索対象のキーワードです

10.2.9 親元のプログラミングが面倒であること

10.3 幾つかの用語の意味

10.3.1 シソーラス関連

10.3.2 スキーマ

10.3.3 モジュール

10.3.4 カーソル

10.3.5 トランザクション

11. グラフィックス言語の解説

11.1 設計と製図

11.1.1 設計図に要求される事柄

11.1.2 芸術的な制作では図なしで作業にかかることもする

11.1.3 コンピュータを図工に見立てる

11.2 図を描く装置

11.2.1 レコーダからプロッタまでの開発の経緯

11.2.2 マイコンの利用が新しいグラフィックス分野を開拓した

11.2.3 濃淡図作成用の作図装置も要望されたこと

11.2.4 作図のソフトウエアが二系統あること

11.2.5 オブジェクトの考え方が生まれたこと

11.2.6 幾何モデルの考え方も生まれたこと

11.3 グラフィックスの言語設計

11.3.1 デバイスドライバの発想

11.3.2 教育利用と実務利用とを別にするのがよいこと

11.3.3 オブジェクトの考え方を吟味する

11.3.4 図形要素に型の考えを使うアイディア

11.3.5 図形要素としての型の提案

11.3.6 標準化したグラフィックス言語の提案は難しい

11.3.7 計算幾何学を広く捉える

11.3.8 グラフィックス処理向けのメソッド

12. 実用文書作成と話し方

12.1 機械翻訳の見方

12.1.1 相手の言語で発信することの難しさがある

12.1.2 日本語と外国語との比較で相互の特徴が分かる

12.1.3 まず正しい日本語の作文と話し方が重要

12.2 話し言葉と書き言葉

12.2.1 自然言語は基本的に話し言葉である

12.2.2 文字表記が問題を複雑にする

12.2.3 表記と発声とは一対一に対応しない。

12.2.4 言語の研究は書き言葉を材料とする

12.2.5 複数の言語間の翻訳には中間言語を使う

12.2.6 賢さと頭の良さとは別概念であること

12.3 実用文書のまとめ方

12.3.1 実用文書は相手に読んでもらう目的がある

12.3.2 実用文書の三要素

12.3.3 書式と体裁の知識が要ること

12.3.4 自分用に文書を残すこと

12.3.5 ここでは文章作成についてだけを扱います

12.4 エピローグ

12.4.1 筆者の試み

12.4.2 コンピュータの利用を考える時代になったこと

12.4.3 耳で聞いて分かる文章にしたこと

12.4.4 段落校正を意識してあること

12.4.5 英語に訳すことを意識してあること

12.4.6 感覚的理解が必要になる語を省くこと

12.4.7 文書の発表形式を三通り準備すること

12.4.8 コンピュータ専門家との連携が必要であること

12.4.9 検索サービスが今後の課題であること

12.4.10 文書の保存は紙に限ること

終わりに