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3. 名詞の話し

3.3 階層的な構造で使う名詞


3.3.5 物の名前は属性を含めて理解している

 果物の名前、例えば「リンゴ」を言うとき、実物を前にして「リンゴとはこう言うもの」とする共通認識を踏まえます。これが概念です。個別に性質を言う項目を属性(attribute)とします。その項目は、もし実物や絵が無くて、言葉だけで説明しようとなると、言いようが無くて困ります。実物の概念があると、色が赤い・少し大ぶり・値段が高い・産地は長野県・品種名は紅玉、などの説明が理解できます。これらが属性です。この全体集合を、コンピュータで整理するようになって、情報の言葉で括り、さらに個別の中身をデータというようになりました。人の場合に当てるとき、個人情報と言い、その中身は、名前(氏名)をキー(key)項目として、性別・生年月日・国籍または本籍・現住所・家族構成、などなどのデータです。属性それぞれに、上で挙げたような集合名詞的な見出しの言葉があり、説明に使う言葉は修飾語の性質があります。コンピュータで扱うデータは、見出しの言葉を変数名または配列名にします。属性の中身は、言葉つまり文字データよりも、相互に数量的に比較ができる数値データに直します。これを符号化(encode)と言います。元のリンゴの属性を具体的に言う「赤い・大ぶり」は、形容詞または形容詞的な言い方ですので、曖昧さを避けて数値化する方法も工夫しなければなりません。氏名などは文字データですが、文字コードを媒介として順序を決めることができます。都道府県名は、文字並びそのままをデータにできますが、配列の寸法を抑える目的から、符号化した短い名前または数字に変えることもします。これらの全体に、総称的な集合名詞のデータベース(database)が使われます。
2010.3 橋梁&都市PROJECT

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