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5. 形容詞・副詞・助詞の話し

5.1 修飾に使う語の分類


5.1.5 口調はよいが曖昧さのある言い方

 「〜の」は、名詞を形容詞の機能に変えて、後の名詞を修飾するときの日本語の助詞です。「〜な」「〜に」は、形容詞と副詞の機能に変える仮名ですので、それと同列に扱う接尾辞と見ることができます。しかし日本語文法では、助詞に分類していません。「日本の習慣」「日本的習慣」「日本的な習慣」と並べてみると、語感として微妙な違いがあることに気が付きます。最初の二つの言い方は、ほぼ同じに理解されます。「日本的な習慣」のように「的な」を使う表現には微妙なニュアンスがあって、「似ているが、すこし違うところがある」意味を持ちます。意味としては「日本風の習慣」「日本流の習慣」と同じです。つまり、「的な」を多用すると、曖昧さが残りますので、論理の通った文章を作成するときには注意しなければならないでしょう。
2010.5 橋梁&都市PROJECT

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