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5. 形容詞・副詞・助詞の話し

5.1 修飾に使う語の分類


5.1.1 品詞分類法は恣意的な手段であること

 日本語の言葉並びの構成を分類するとき、品詞に分けることは、学問的な手段として定着しているように見えます。品詞の用語は、英語のa part of speechを訳したものです。英語の場合、分かち書きをした語の単位(単語、word)の機能を分類するときに便利です。品詞分類の考え方は歴史が浅く、そのため、学術用語も説明的です。もし学術用語化するのであれば、speech-part→speechpartのような集合名詞になるかも知れません。品詞分類法には幾つかの説があります。英語の大枠は8品詞(名詞・代名詞・動詞・形容詞・副詞・前置詞・接続詞・感動詞)です。日本語の場合、分かち書きをしない文字表記ですので、単語に区切る方法を最初に考えて、それから品詞に分類します。生物の種を分類する方法は客観性があります。しかし、言葉の品詞分類法は、研究者の恣意的な(思い付きの)考え方です。誰もが納得している方法ではありません。文の中で最も明確に分類できる品詞は名詞です。しかし、動詞や形容詞から作られて名詞的に使っている語や、修飾語を含めた長い名詞句も見られます。文字並びを、細かく分割して最小の品詞要素に分ける方法を考えるとき、活用のある語は、変化しない語幹部分と送り仮名とがあるので厄介ですが、これを1語に分けます。機能が良くわからない文字並びには、助詞と言う品詞、例えば(が・の・に・を)を立てます。この章は、文中の使い方で、ある文字並びが、機能で見て、形容詞になるか副詞になる、と言う見方で説明します。
2010.5 橋梁&都市PROJECT

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