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8. 論理を表す文と式

8.1 文章論理と計算論理


8.1.3 ブール代数の登場が新しい論理学を開いた

 ジョージ・ブール(George Boole、1815-1864)は、イギリスの 数学者・哲学者です。今日のコンピュータの論理演算を理論的に支える、記号論理学の創始者とされています。ブール代数が扱う数は、従来の数値とは違い、true/false(真と偽)で区別するような、二種の顔だけを持つ量とした定義であってブール値(論理数)と言います。コンピュータメモリの1ビットの状態を表すときに使いますので、便宜的に(1,0)の二値で扱います。論理の繋がりを言葉で言う方法を、代数式を扱うときのように、ブール値の変数記号と演算子記号の並びで置き換えます。基本的な算法は、二つのブール値に変数記号P, Qを当てるとして、PとQとの間に、一つの演算子を介して演算させ、その結果もブール値で得る表し方を考えます。普通の数学算法は、二数間の演算則は4通り(加減乗除)しかありませんが、ブール代数の場合には、実は16通りの約束を考えることができます。もう一つ、数値計算の場合と大きく違う論理演算があって、変数一つを対象とした否定の演算則があります。1ビット単位のブール値の演算則を基本として、ビット並びの集合を考えて、この集合単位での論理演算にもブール代数を応用します。コンピュータの論理演算は、文字型または整数型の変数をブール値の集合名詞扱いをして、ビット位置単位で論理演算をさせる使い方をします。集合間の論理演算則を、説明図に表したものをベン図(John Venn, 1834-1923)と言います。表8.4は16通りの演算則をベン図で説明したものです。

表8.3 二値の論理演算則
2010.8 橋梁&都市PROJECT

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