目次ページ  前ページ  次ページ

8. 論理を表す文と式

8.1 文章論理と計算論理


8.1.4 論理演算子の記号については種々の提案がある

 算術の加減乗除の演算子記号は、日本語ワープロの環境ならば(+−×÷)と使えます。プログラミングで使う英語は、キーボードにある記号だけを使うことで制限を受けますので、(+−*/)を当てます。16通りある論理演算則のすべてに演算子記号を当てると丁寧です。しかし、論理和(∨)と論理積(∧)の二つと、否定記号の三つがあれば、他の演算則はすべて誘導できます。ただし、日本語のワープロの環境では、記号文字の上に横棒を付ける方法で否定を表現する方法ができませんので、表8.2の否定の表示記号は、中央に横棒を入れる方法にしています。英語の環境は、キーボードにある記号文字種の制限がありますので、例えばVisual Basicにあるように、予約語扱いをした文字並び(Not, And, Or, Xor, Eqv, Imp)を、そのまま演算子記号に使う方法が主に採用されます。C言語の場合には、(||, &&, !) を演算子記号に使います。説明が後先になりましたが、否定の演算は特殊です。これは、論理変数一個を使うからです。プログラミングの感覚で説明すると、二値を使う演算は、引数を二つ使う関数に組み立てることができます。同じように否定の演算は、引数を一つ取る関数と考えるとよいでしょう。コンピュータが数を内部的に表すときは、ビット並び、つまりビットの集合とします。この集合間の演算記号に、論理和(∪:カップ)と論理積(∩:キャップ)を使います。ただし、表8.4では∨と∧を使って説明しました。

表8.4 二値を持つ論理値の集合間の論理演算則を表したベン図
2010.8 橋梁&都市PROJECT

前ページ  次ページ