目次ページ  前ページ   次ページ

9. データベースと文字処理

9.2 文書の整理


9.2.2 整理法を教える組織的教育がなかったこと

 一般に、整理が良いと言うのは、行儀作法的な素養が関係します。合理的な方法を教育システム化することは殆んどありませんでした。超整理法の言葉は、野口悠紀雄(1940-)の造語に始まりました。内容は、コンピュータを利用する整理法について、個人的な経験をまとめたものです。トヨタ自動車の工場管理でカンバン方式が注目されましたが、一種の整理方法として見ると納得できます。整理には上手・下手がありますので、一種の技術です。技術の中身は、三つに分けて考えることができます。これを筆者は、技術の三要素「道具・技法・技能」としています。現代風に言えば、「ハードウエア・ソフトウエア・インタフェース」です。専門家がいても不思議ではありませんし、そうあるべき時代になりました。書類の整理で言えば、例えば、書庫・書架・ファイリングキャビネットが道具、分類法が技法、そして、書類の扱い方が技能に当たるでしょう。公的な環境では、前の二つは規則を決めることができます。専門家としての資格が、例えば図書館司書です。欧米の管理職につく女性の秘書は、職業としての位置が社会的に認められています。この秘書がコンピュータユーザの一大勢力です。マイクロソフト社がOfficeの名称を付けたソフトウエア製品は、秘書の希望を反映するように発展してきました。企業の秘書の仕事は、かなりの部分が整理です。また、女性の方が整理を面倒がらずにやってくれます。道具の中に、パソコンが加わったので、この取り扱いも秘書の素養として必須になりました。
2010.9 橋梁&都市PROJECT

前ページ  次ページ