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9. データベースと文字処理

9.5 注意して言葉を選ぶ


9.5.1 構造:"structure"の用語

 コンピュータの参考書には、structureの用語を良く見ます。代表的には、structured programmingがあって、構造化プログラミングと訳しています。この反義語はspaghetti codeです。木構造は、tree networkの訳です。プログラムのソースコードを文書として見るとき、論理的な流れが一筋に繋がるように構成することを言います。文単位の構成に階層的な関係が分かるように、インデントを使って視覚的区別できるようにします。論理的な構造で説明するときは、具体的にはGoTo文を使わないプログラミング技法とされます。階層の区切りを明示的に表す方法は、HTML文書にみるように、タグ記号を使います。HTML文書はプログラム文の集合の性格があって、その文を読み取って実行するプログラムが閲覧ソフト、例えばインターネットエクスプローラです。データベースの扱いではSQLとして使われていて、Sはstructuredです。なぜ、この修飾語が付いているかについての説明を、筆者は見たことがありません。以下は筆者の解釈です。"structure"は、論理的に見て、一方向に整然とした、システマティックな組み立てでモデル化するときに言うようです。種々の可能な選択があるにしても、最後に一つのゴールに収斂するような一つの道筋に構成するときに使います。網目構造は道筋としての選択が一意に構成できません。リレーショナルデータベースを構築するとき、分類項目を並列にした一単位の表ではなく、複数の表の集合に分け、それらの論理的な繋がりを定義します。ここに構造の概念を含みます。何かの検索要求は、この構造の特性を踏まえた手順を擬似的なプログラミング言語で論理的に組み立てて指定します。EXCELで作成した表は、リレーショナルな構造を持ちませんので、検索要求は論理的な検索構造の組み立てを必要としません。選択肢を多く用意することは親切に見えますが、モニタの画面でアイコンが並んでいると、何から作業を始めればよいかで迷います。ユーザが道案内(例えばHELP機能)を必要とする場面は少ないほどよいのです。
2010.9 橋梁&都市PROJECT

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