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4. 動詞の話し

4.3 英語のbe動詞に当たる動詞


4.3.2 「だ」は助動詞であるのか?

 文法を研究して品詞分類にこだわると、文字並びを切り刻んで、最小文字並びに、なにかの品詞を当てはめたくなります。口語文法では、「だ」を助動詞に分類しています。異論も、したがって幾つかあります。英語のbeとhaveは、受身形や完了形にするときには、他の動詞と組み合わせた使い方をします。英語の辞書を見ると、動詞と助動詞と、品詞が二つ書いてあります。単語の使われ方の区別で品詞の種類を分けています。「こういう使い方(形)をするときは、この意味になる」と割り切ります。「〜だ」「です」は言い切りの形になっていますので、機能は全体が動詞です。「だ」の後に体言を付ける言い方がありませんので、助動詞に分類したのでしょう。過去形は「た」を語尾につけた「だった」「でした」です。「〜である」は、「ある」が動詞です。古くは「在る」を当てることがあり(有り)ます。理屈を考えれば複合動詞です。終止形と連体形とは同じ語尾ですので、「〜である」は後に体言を繋ぐ言い方ができます。「〜である」を取ってしまうと体言止めの文です。そうすると「〜で」は連用形の語尾変化に相当します。動詞としてみれば、語幹も変化しますので、「する」と同じような変格動詞です。語幹に漢字を当てることができません。「くる」は語幹に「来」を当てることもしますが、活用で漢字の読みが変わるのを避けるために、仮名書きするのがよいでしょう。謎解きのようになりましたが、「です」は複合動詞であって、「で」が連用形、「す」はサ変動詞の終止形です。「〜であります」とも言えます。これは三つの動詞の複合形です。「だ」「だった」は名詞を受ける単独の動詞の使い方ですので、be動詞を単独に動詞として使う言い方に当たります。「た」は過去形を作りますが、「だた」を音便で「だった」と使います。
2010.4 橋梁&都市PROJECT

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