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4. 動詞の話し

4.3 英語のbe動詞に当たる動詞


4.3.3 別の動詞を受ける使い方

 「〜ます、〜ている」の二つは、前に置く動詞を連用形で繋ぎます。ただし、「〜ている」のときは音便変化を起こします。外国人が日本語を覚えるときの難関の一つです。「〜ます」は丁寧語にする動詞です。単に動詞の言い切りで文を終えても意味は大体同じです。例えば、「夏山を歩く」「夏山を歩きます」「夏山を歩いています」の微妙な言い方の違いを、意味的にも文法的にも説明したいところです。過去形の言い方は「夏山を歩いた」「夏山を歩きました」「夏山を歩いていました」になります。うがち(穿ち)過ぎるかもしれませんが、「た」を添えることは、英語で完了形を作る時にhaveを使うことと対応しています。ただし、語順は違います。このように並べると、「〜ています」「〜ていました」が英語の進行形に似た言い方であり、静的な情景描写です。ただし、動詞の「読む」を使うと、音便で「読んでいます」「読んでいました」になります。このときの「て」と「で」の機能は、上の項で説明した「だ」の連用形です。英語の進行形はbe動詞に現在分詞を繋ぎますので、「て」がbe動詞に当たっています。言い切りの動詞部分が「いる」ですので、三つの動詞の複合動詞になります。「〜ます」「〜ました」は、単純な、現在時制と過去時制に当たりますが、習慣的な動作を説明する言い方です。言い切りの表現「歩く」「歩いた」は、名詞句の感じを受け、連体形を使った言い切りと見ることもできます。日本語では、「見て、聞いて、食べて、遊んで、暮らして、(居)います」のように「て」で区切って並べる言い方があります。これは「見ています。聞いています。…」のように、複合動詞を並べた言い切りの文の連続を詰めたものです。「て」をbe動詞的な連用形と見ると、最初の文形は、名詞化した連用形を並べた形になっていて、最後の「います」を修飾した一つの文です。英語に直すならば、「I am doing to look, to hear, to eat, to play and to live」になるでしょうか。
2010.4 橋梁&都市PROJECT

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