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4. 動詞の話し

4.4 状態の違いを表す言い方


4.4.1 「相」と言う用語はあまり使わない

 もともと言語学は輸入学問ですので、英語の文法用語aspectは、カタカナ語にして使うか、漢字用語の「相」を当てました。言語学の参考書では幾つかの説明があります。よく分からないのですが、意義は、動詞が表す時間的な状態を言うようです。これを具体的に言うとき「現在・過去・完了・未来・進行形」の動詞形で区別します。英語は、過去形と完了形で書き方の区別があります。英語の完了形の文、例えば「I have been in Tokyo」を「東京に行ったことがある」と訳すのだと習います。意味は、「過去の或る時点で、東京に行き、或る期間そこにいて(継続)、今は居ない」という時間経過と経験的事実を言います。これが、この英文の完了形の「相」です。日本語では過去形と完了形の区別がありませんので、相の用語自体もほとんど使いません。この理由には、前節の始めで説明したように、動詞が表す動作は、主に静的な描写で説明するように使うからです。
2010.4 橋梁&都市PROJECT

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