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4. 動詞の話し

4.4 状態の違いを表す言い方


4.4.2 日本語動詞の「時制」は未然形と已然形の区別がある

 日本語文の時制表現は、過去とそうでない場合(非過去)の二つです。しかし、時間の捉え方からみると、動詞に三通りの区別があります。「動作をしない状態、している状態、済んだ状態」です。動作をしない状態とは、「未だしていないが、これからするかもしれない」ので、「いまだしからず」の訓読みを持つ未然形の活用があります。否定形を作る「ない」は、未然形に繋ぎます。している状態は終止形です。用語として終止は意味的には正しくないのですが、文の終わり(止め)に使いますので、従来からの用語の約束です。主語を立てるとき、「〜は」と付けると、事象の状態を静的に言うか、近未来を言うか、習慣的な動作を表します。「〜が」を使うと、その時点で動的な状態を説明する言い方が強く出ます。済んだ状態の時制は過去です。終わったと言う意味の漢語の已を使って已然形を当てます。口語文法では仮定形に言い換えています。「〜れば」「〜たら」と繋ぐ条件文に使います。時制的な見方をすると、過去に何かが起きた、または前に決まっていたことを条件としますので、意義的には過去時制の解釈が当たります。英語のifを使う条件文も、動詞は過去形にします。
2010.4 橋梁&都市PROJECT

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