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10. データベース言語SQLの解説

10.1 データベースの概念の変化


10.1.3 環境・システム・管理と言う全体概念を使う

 データベースとして扱いたいデータ全体は、量が多く、コンピュータの作業用内部メモリ領域に「全体を取り込んで処理することはできない」とする前提を考えます。大量のデータを記録できる外部の記憶装置(ハードウエア)とコンピュータとの間で効率的なデータ受け渡しをする方法(ソフトウエア)が必要です。どこか別の場所にその記憶装置を置いて、そこと結ぶ通信方法(ソフトウエア)と通信装置(ハードウエア)を考えることが、関連する重要な課題です。プログラミングは、これら外部装置(デバイス:device)の機能を考えなければなりません。デバイスが変わる度にユーザのプログラムを書き換えなければならないのでは困りますので、その対策として、コンピュータからは、ソフトウエアとしてのデバイスドライバ(device driver)を介して装置(物)を制御するプログラムを使います。データベースエンジンは、デバイスドライバの機能を持ちます。デバイスドライバは、デバイスのメーカー側が作成し、それをコンピュータのOS(オペレーティングシステム)に繋ぎます。システム(system)言う用語が出てきますが、多くの要素が一体となって一つの機能を実現させる構成を言います。機能を実現させる状態が環境です。静的な状態と動的な状態とがありますが、俗に生きている(アクティブ:active)と言うときは、何かのプログラムが実行状態にあることを指します。スリープが中止状態にあることは感覚的に理解できるでしょう。この環境の中で、ユーザのプログラム(ソフトウエア)からは、OS側の仮想のデバイス(ハードウエア)を使います。仮想に代えて抽象の用語も使います。DOS(Disk Operating System)とは、ディスク装置の違いを吸収する意義で命名されたものです。大量のデータを保存し、ランダムにデータの読み書きをする記憶媒体として、ディスクを使うことが必須です。しかし、中身のデータ書き換えが必要になるとき、データ量が増えると予定場所に入りきれないことがあります。データ量が減るか、そのデータを削除すると、無駄な領域ができます。これらがファイル管理の対象です。
2010.10 橋梁&都市PROJECT

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