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10. データベース言語SQLの解説

10.1 データベースの概念の変化


10.1.4 共同利用をするためネットワーク技術が必要である

 データベースの元になるデータファイルは、多くの人が共同で利用できる共有の環境に置かれます。これをサーバー(親元)としましょう。子に当たる個別の一般ユーザ(クライアント:client)は、個人のパソコンを通信回線で親元と繋いでデータベースを利用しますので、ネットワーク(網目構造:network)技術が必要です。用語としては、netに代えて、蜘蛛の巣の意味があるウエブ(web)も一般化してきました。ユーザは、何かのプログラミング言語を介して自分のコンピュータのメモリにファイルのデータを取り込んで使いたいとします。ファイル構造が分からなければ、ファイルの利用ができません。しかし、データベースのファイルは、複数の人が利用しますので。読み書きがユーザレベルで簡単にできると、データ内容の保護に問題が起こります。親元のデータベースプログラミングでは、ハードウエアとソフトウエアを管理する全体をDBMS(Database Management System)と括ります。これを通信回線で繋ぐ、別系統のハードウエアとソフトウエアの傘下に置きます。これをNET Frameworkと言うようになりました。この全体を見通した上で、個別の問題を解決しなければなりません。この手の総論と各論の議論に、欧米人は凝る傾向があります。ソフトウエア工学(software engineering)がそうです。この議論に特別な用語や頭字語が現れます。それも日本語に訳し難いので、カタカナ語が氾濫することになります。例えばパラダイム(paradigm)があります。上で説明した全体の見通しを構築する考え方を言います。このとき、前に説明したモデルや環境と言った概念が使われます。プログラミングは技術ですので、気の短いユーザは、手っ取り早く結果を欲しがります。多くの参考書は、それに迎合するように、どうしても細部の(各論的な)プログラミングコードの解説や使い方の説明に偏る傾向があります。
2010.10 橋梁&都市PROJECT

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