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3. 名詞の話し

3.2 外来語は名詞扱いとする


3.2.1 漢字は第一義的には名詞扱いである

 古い時代、日本語は文字を持っていませんでしたので、漢字を中国から輸入して使い、仮名は、それを日本風に改良して作った表音文字です。物扱いをする第一義の言葉は名詞です。輸入品ですので、元の言い方、つまり音読みで使います。ただし、発音は、文化の輸入時期の違いで、漢音と呉音が混ざりますが、日本風になるのは仕方がありません。日本語の動詞と形容詞は活用しますので、音の変化がない語幹部分に同じ意味を持つ漢字を当て、全体を日本風に読ませました。これが訓読みです。日本語の音が先にあって、それに漢字を当てることも行われましたので、読み方がクイズなるようなものも使われます。「不如帰」「時鳥」と書いて、「ほととぎす」と読ませるのが一つの例です。地名は、昔から和語の読みが元からあって、それに漢字を当てたことから、同じ漢字綴りでも読み方の違いがあります。人名の姓は、地名と関わりを持つことが多いので、同じ音で違う字を当てることも、また、同じ字を使っても読みが異なることがあります。鉄道駅名は、文書では字数の節約ができる漢字で書いてあっても、駅名の表示板はひらがなで書いてあります。これが地名を正確に覚える助けになります。道路の案内標識の地名は、字数の節約と、図形として瞬間的に理解できる漢字を主に使います。道路交差点に、その場所の地名がローマ字表記もされてあるのは助かります。
2010.3 橋梁&都市PROJECT

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