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8. 論理を表す文と式

8.2 比較を表す表現


8.2.1 数の大小関係を判定する式がある

 我々は、式と言うと代数式だけと考えますが、英語のequationは、等号(=)で左右の式を結び付けた等式だけを指します。変数記号と、等号を除いた演算子記号を組み合わせた表現をexpressionと言い、これが式の正しい和訳です。コンピュータ言語で扱う式は、三通りあります。代数式(algebraic exp.)、論理式(logical exp.)、比較式(comparison exp.)です。代数式に使う変数は数であり、加減乗除の演算子を使い、式の評価も数で得ます。論理式は、変数に論理値(ブール値)を使い、論理演算子を使い、式の評価も論理値で得ます。比較式は変数に数を使い、比較演算子を使って、結果を論理値で得ます。比較式の場合にも、文章での言い方が対応します(表8.5)。比較演算子は、A,Bが数値を表す変数であるとして、例えば(A<B)のように表します。(5)と(6)とは交換則が成り立つ演算です。それ以外は交換則が成り立ちません。A,Bを入れ替えても、否定になりません。表8.5で言えば、(1)と(4)、(2)と(3)とが互いに否定の関係にあります。したがって、比較を表す式では、否定演算を組み合わせて演算の順番を工夫します。これが、論理式を扱う場合のレトリックです。

表8.5 比較演算子(visual Basic)と対応する文章語句


表8.6 特殊な比較演算子(Visual Basic)
2010.8 橋梁&都市PROJECT

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