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10. データベース言語SQLの解説

10.2 問い合わせの儀式


10.2.1 SQLの語源

 SQLの提案は、1970年に遡るのですが、当初、シークエル(SEQUEL: Structured English Query Language)と呼ばれていて、「English」とわざわざ断る説明が入っていました。1970年頃のコンピュータ言語は、コンピュータに指令する命令語(コマンド)の構文は、日本語で言う助詞の「がのにを」に当たる前置詞を省く使い方が普通でした。ただし、COBOL(1959)は、例外的に予約語の中に前置詞も含めた英語風に構成するプログラム文を使います。SEQUELは、COBOLと同じ設計思想を主張する命名であったと想像します。しかし同名の省略語が既にあったこともあって、SQLに落ち着いたとの説明がされています。ここで、structureの用語が使われていることが、日本人には理解し難いところです。日本語では単純に構造と訳すのですが、英語の同義語はdesign, compositionを含んでいます。つまり、単純に検索語を集めた言語集合ではなく、或る機能を組み立てるように設計(design)された言語、と言う意義を含む言葉遣いです。文法構文(composition)が英語だよ、と言う意義を含めて、当初はEnglishが入っていたのだと想像できます。
2010.10 橋梁&都市PROJECT

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