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7. 外国語としてのプログラミング言語

7.3 動詞の意義と使われ方


7.3.3 階層的な環境という概念がある

 或るプログラムが実行状態にあって、コマンドを入力するとプログラムの状態が変わり、そこで、さらにユーザに対して別系統のコマンドやステートメントの入力待ちになるような階層的な状態にあるとき、環境(environment)と言う概念を使います。最も上位、(または基底)にある環境を構成するのがオペレーティングシステムです。Windowsの環境から、DOSの環境に移行すると、DOSのコマンドを実行できます。何かのプログラミング言語を使って実行形式のプログラムを作成するときは、作業を効率的に進めるため、統合開発環境(IDE: Integrated Development Environment)に移行して、この環境での作業をプロジェクト(project)と言うことがあります。環境が変わると、固有のコマンドを別に持つことがあります。そのコマンドが実行されると、さらに別のコマンドを利用する環境に移ります。GUIでは、メニューをクリックするとサブメニューの候補が現れ、さらにサブサブメニューの選択が要求されるような状態です。CUIの場合には、コマンドの単語に続けて、複数の引数が必要になることに対応しています。この単語並び全体が文(statement)であって、プログラムの最小構成です。文の区切り記号は、改行が普通ですが、区切りに別の符号文字(delimiter)を使うこともあります。BASIC系のプログラミング言語は、コロン「:」が使えます。一方、C言語では、セミコロン「;」だけが区切り記号であって、改行はスペース(空白)扱いです。改行して、論理的に次の行に1文が継続しているときの表記法も決められています。一つの文単位の実行が済めば、当面の環境に制御が戻ります。
2010.7 橋梁&都市PROJECT

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