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5. 形容詞・副詞・助詞の話し

5.2 形態素解析の位置づけ


5.2.5 ヘボン式と日本式

 パソコンの操作でローマ字入力を使って仮名に変換するときは、日本語をローマ字で表記する方法と関係を持ちます。これには、ヘボン式と日本式とがあります。米国人のヘボン(J. C. Hepburn)が、耳で聞いた日本語の発声を、ローマ字で表記する方法として提案したので、ヘボン式と言います。日本式とは、仮名の50音表を物理的にアルファベット表記にする方法です。二つの方式の違いは、主に「シ」、「ジ」、「フ」の扱いに現れます。「ハヒフヘホ」をヘボン式では「ha,hi,fu,he,ho」、日本式は「ha,hi,hu,he,ho」と当てます。これは、いみじくも、発音と表記の関係の典型です。和英辞書にローマ字で日本語の見出しを使うときは、ヘボン式が普通です。専門用語の和英辞書には、日本式を採用しているものがあります。理論にこだわる学者は、日本式を提案する傾向があります。この方式は長母音にアクセント記号^のついた母音文字が必要ですので、パソコンの入力には向きません。漢字に変換するとき、長母音「おー」は「おう」入力する(表記の)約束です。パソコンでは、fu,huどちらの方式でキー入力をしても「フ」が出る設計です。50音表のラ行は「ra,ri,ru,re,ro」を使います。パソコンでは「la,li,lu,le,lo」の入力は小文字の「ァィゥェォ」の文字に変換されます。ここまでの変換は、コード変換と言うものであって、1対1の変換表があれば逆向きの変換もできます。ただし、仮名文字からローマ字表記に直す方向の変換を使う場面はありません。
2010.5 橋梁&都市PROJECT

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