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5. 形容詞・副詞・助詞の話し

5.2 形態素解析の位置づけ


5.2.4 ワープロの作業環境と使い方があること

 日本語のワープロを利用する最終目的は、誤字や当て字の無い文書の作成です。この作業のとき、ハードウエアとしてのパソコンを操作する技術、特にキーボードを見なくても正しい文字のタイピングができるブラインドタッチタイピング技能(blind touch typing)の習熟と、ワープロのソフトウエアを使いこなす技能を覚えることが必須です。この作業を便利にする隠れたソフトウエアツールが、仮名漢字変換のソフトウエアです。このとき、二段階の文字変換処理が行われます。言葉は、頭の中で音として発想されます。その音を表音文字、日本語の場合は、仮名で表します。パソコンのキーボードを操作するとき、直接に仮名で入力する方法もありますが、アルファベット並びを利用したローマ字変換をして仮名に直す方法が普通になりました。これが第一段階です。この部分は、フロントエンドプロセッサ(front end processor)と言うことがあります。第二段階が、仮名文字並びから、適切な漢字を選択する仮名漢字変換です。作成された文字並びが正しいことを最終的に判断するのは、人の側です。ある程度まで知能を埋め込んだソフトが利用できるにしても、コンピュータが人間の能力を上回ることはありません。したがって、完全無欠さをコンピュータソフトに期待するのではなく、程ほどの機能で妥協しなければなりません。妥協の線引きをどこに置くかは、文書作成の環境と関わります。
2010.5 橋梁&都市PROJECT

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