目次ページ  前ページ   次ページ

9. データベースと文字処理

9.2 文書の整理


9.2.6 二足のわらじを履くような管理をする

 図書館で、実体を持つカードや、それを集めた目録書を作ることを時代遅れと考えると間違えます。眼に見える形(ハードコピー)で残すことが重要です。便利さを追求して、すべてを電子化することは、危険を伴います。簡単に書き換えができることは、前の記録事項が失われることです。電子化資料は、保存と再利用に記録媒体が必要ですが、例えば、昔の磁気テープやフロッピーディスクが読めなくなる深刻な被害も受けますし、一瞬の処理で全滅することもありますので、バックアップなどの安全対策が大きな問題です。とは言っても、カードや目録類の作成は、図書管理では大きな労力が必要です。ここにコンピュータを利用することでの合理化が図られてきました。これには、従来からの保守的な運営管理を引き継ぎながらも、ネットワークの利用など、先端的な取り組みもする、言わば二足のわらじを履くような、不経済とも見える管理方式を取っています。その理由は、図書管理が国内だけの問題ではなく国際的な連携が必要だからです。最初に電子化データを作成しておけば、従来からのカードや目録の作成など、眼に見える資料にすることに、弾力的な対応ができるようになってきました。論文誌の個別の項目(contents)は、専門と関わりますので、こちらの検索サービスまでは手が回りません。これには、私的にデータベースを扱う個人や機関が協力する形でバランスが取られています。
2010.9 橋梁&都市PROJECT

前ページ  次ページ