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9. データベースと文字処理

9.2 文書の整理


9.2.5 カード型データベースの利点と欠点

 ユーザが図書を探したい(検索)ときに利用する、図書館側で用意する図書カードは、一つの原簿から二種類作ります。著者名検索用と、書名検索用です。これらは、二次資料の位置づけです。開架式図書館では、ユーザが直接 書物(一次資料)を眼で確かめて探すことができます。しかし、目的の書物が見つからないとき、最初から無いのか、誰かが借り出しているかは分かりません。小規模の図書室ならば、貸し出し管理用ブックカードを使う方法が実践的です。図書カードの内容を、そのままデータベースのファイル構造としたものがカード型データベースです。現在の考え方は、先に電子化した単純なデータベースに登録しておいて、それを元にカードを作成します。パソコンで利用できる表計算ソフトの歴史は1982年に始まりました。EXCELの発表は1985年です。現在(2010年)の時点でのEXCELは、そのままで電子化したカード型データベースのツールとしても利用できます。私的な利用ならば、EXCELが便利です。カードに作成して二次資料を管理することをモデルに考えれば、インタフェースを覚えることは難しくありません。ただし、レコード点数として65Kの上限があります。本格的なデータベースとしてのリレーション機能が使えません。個人が私蔵する書物は点数も多くありません。所有者は、どこに何が在るかを知っていますので、改めてカードを作ったり、EXCELなどで管理したりすることは、ほとんどしません。公的な図書館では、所蔵点数が桁違いに多くなりますので、カード型データベース式の管理は問題があります。カード単位は、追加と削除はできますが、記録内容を部分的に更新することは、実際作業では殆んど不可能です。言わば、静的な利用です。
2010.9 橋梁&都市PROJECT

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