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9. データベースと文字処理

9.2 文書の整理


9.2.4 カードを利用する整理方法

 もともと、図書館は、書物本体(一次資料)の整理保存と共に、データベースの機能も持つ施設です。コンピュータ化が進む以前は、データベース化と検索の作業を、ライブラリアンが行っていました。本体(一次資料)の所在が分かればよいのです。図書館では、新聞、雑誌、パンフレットなどは、保存に向く設備があるか、書物なみの体裁にしなければ、ある期間の公開展示が済めば廃棄します。言わば、捨てる規則です。保存と廃棄とは、整理を挟んで表裏の関係にあります。レコードやテープなどの新しい形式の資料は、取り扱い規則がなければ、業務に組み込むことができません。役所的に分掌を決めて運営をする場合には、弾力的な対応ができません。こちらは、研究者、個人、民間の機関などが、いわば私的なボランティア活動で支えることでバランスが取られてきました。どのような蔵書があるかを探す手立てに、図書館ごとに図書カード(library card)が準備されてきました。図書カードは、カード型データベースの原形の意義があります。蔵書目録(bibliography)や抄録集(abstract)は、二次資料です。目録類は、固有の性格の有る蔵書が作成の対象です。学術論文などは、雑誌の形式で出版されますが、これを年単位などで製本して、始めて図書館の管理に組み込まれます。こちらは専門性が高いので、どの図書館に何が何号から何号まであるという情報を含めた学術雑誌総合目録が利用されています。ただし、専門ごとの内容(contents)である論文個々の情報は扱いません。
2010.9 橋梁&都市PROJECT

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