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11. グラフィックス言語の解説

11.2 図を描く装置


11.2.1 レコーダからプロッタまでの開発の経緯く

 地震のような時系列(time process)の振動現象を記録して、科学的な解析に応用する目的の装置を、広く、レコーダと括ります。測定原理の部分をセンサ(sensor)と総称します。電気・電子技術の進歩に伴って、センサとレコーダとを別装置とするようになりましたが、古典的な地震計は純機械式の一体化した装置でした。いつ起こるか分からない地震波を長時間待機して連続記録する部分は、エジソンの発明したドラム式蓄音器のような外観をしています。一般的なレコーダは、ロール状の長い巻紙にペンなどで時系列の波形を描き出す装置が主流です。記録紙を大量に消費しますので、磁気テープなどを使い、一旦電気電子的に記録しておいて、それを再生してモニタで観察するか、必要な個所を選らんで用紙に描きだす方法を採るようになりました。アナログ計算機は、今では見ることがなくなりましたが、その出力用に、X-Y二方向の座標軸方向のアナログ入力信号で関数グラフを作成するX-Yレコーダが使われました。デジタル計算機の呼び方は、アナログ計算機との対比で言ったのですが、こちらの計算結果のグラフィックス出力用に開発されたのがプロッタです。学術研究に応用する場合は、作図領域としてA4版(210×297mm)の用紙寸法でも役に立ちます。しかし実務、それも地図の作画や製図に応用することを目的とすると、A0版(841×1189mm)の用紙寸法が使える大型のペン描きプロッタが必要です。この開発と研究過程がコンピュータグラフィックスの一つの柱です。
2010.11 橋梁&都市PROJECT

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