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11. グラフィックス言語の解説

11.2 図を描く装置


11.2.2 マイコンの利用が新しいグラフィックス分野を開拓した

 1970年代の末から発売された8ビットのプロセッサを使うマイクロコンピュータ(マイコン)は、テレビの画面をモニタ代わりに使う方式でした。当時のテレビ用のブラウン管は解像度が低かったので、文字を表示するとしても、英字で横40字×縦25行程度でした。このマイコンがテレビゲームの火を付け、さらに、モニタ上だけで観察するコンピュータグラフィックス技術の、研究と開発を刺激しました。こちらは、質の良いハードコピーを作成する目的を持ちませんので、製図を目的とするコンピュータグラフィックスの使い方とは距離がありました。ディスプレイ専用の、当時としては解像度の高い、640×480ピクセルのモニタが開発されたことが一つの契機となって、テレビゲームのようなホビーだけでなく、実務にも積極的に利用されるようになりました。このモニタ画面のハードコピーには、ドットマトリックスプリンタとの相性がよく、キーボードには専用のキーが予約されていました。現在のパソコンのキーでPrtScrと表示されているのが、その機能を引き継いでいます。ただし、こちらはモニタの画像をクリップボードに転送するようになっています。テレビゲームと実務との接点になった、その古典的な使い方は、フライトシミュレータです。元々は、高価な航空機の操縦と操作を、実機で訓練に使う代わりに研究開発されたのですが、テレビゲームとして発表されて人気を博しました。
2010.11 橋梁&都市PROJECT

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