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5. 形容詞・副詞・助詞の話し

5.3 プログラミング言語の中の形容詞


5.3.3 論理計算の扱いが特殊になること

 コンピュータは、四則演算の数値計算をさせる道具であると思い勝ちですが、論理演算ができることが大きな特徴です。電卓(電子式卓上計算機)は、論理計算のツールがありません。代数計算式は、数を文字や記号に置き換えて四則演算の手順を表記する方法です。式は、文章を元に記号化した書き方ですので、欧米人は、式を声に出して言うこともします。また、事務処理用の言語COBOLは、プログラムの管理をコンピュータの専門家以外でもできることを意図して、英文的な表現でプログラムを作文できるように設計したものです。四則演算は記号式でも書くことができますが、ADD, SUBTRACT, MULTIPLY, SUBTRACTのキーワードが使えます。論理的な条件文を構成するIF, THEN, ELSEの語を使い、大小判定にもGREATER THAN, LESS THAN, EQUAL TOを使います。一方FORTRANは、数値計算の手順が、代数式の表現をコンピュータが直ぐに理解できるように設計したプログラミング言語です。四則演算の記号に「+,-,*,/」を当てますが、これは、英文キーボードで利用できる記号の範囲で間に合います。論理演算に関しては、ブール(George Boole,1815-1864)の名を冠したブール代数があるのですが、演算記号を別に工夫しなければ文書に表せないこと、また、それが普通のキーボードの文字とは違うこと、とがあって、表記方法に工夫が必要でした。AND, OR, NOTは、そのまま論理演算子として使うと、コンピュータが変数名と間違えますので、「.AND.」「.OR.」「.NOT.」にしました。初期のキーボードには「<, >」がありませんでしたので、「.LT.」「.GT.」のように書きました。幾何学は、文章論理で説明する学問の性格がありますが、これを記号式ですべて表す一般的な方法は未だありません。
2010.5 橋梁&都市PROJECT

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