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7. 外国語としてのプログラミング言語

7.4 データの定義と名前で宣言する儀式


7.4.2 二次元配列は階層的な関係にある集合を表す

 数値計算を主題としてプログラミングをする場合、連続した性質のある関数を、飛び飛び(離散的:discrete)の座標で扱います。そのデータ並びを格納する領域を、配列名で宣言します。普通は一次元的な並び構造を扱いますが、マトリックスを格納するときには二次元配列を使います。三次元以上の配列を扱う場面は多くありません。二次元以上の配列であっても、メモリの使い方は内部的には一次元の並びです。これを視覚的に表で表すとき、行と列の要素をどの順に並べるかの約束をします。これは、表の二次元的な座標位置(index)の番号付けと表記の約束に関係しますので、プログラミング側で定義を持っています。数値計算を主目的としたプログラミング言語のFORTRAN, BASICでは、例えばA(M,N)と表記します。M行N列の要素は、メモリ内では列の並びを単位とします。列の要素数がN個ですので、論理的にはN個単位で区切られます。一方、C言語では、配列をA[M][N]と書くと、マトリックスの要素は、行方向のM個を連続単位としてメモリ内で並びます。これは、横書きの文字並びを格納するときには扱いやすい方法です。一次元配列を集合とすると、二次元配列は集合の集合と考えることができます。配列全体に名前を付けて宣言しますが、個別の要素は、データ型がすべて同じですので、行または列に名前を割り当てることをしないで、インデックスを使って参照します。
2010.7 橋梁&都市PROJECT

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