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7. 外国語としてのプログラミング言語

7.4 データの定義と名前で宣言する儀式


7.4.1 変数に固有の名前をつけるとき

 コンピュータが処理の対象とするデータは、動詞の目的語です。動詞名の方は、プログラミング言語の方で決めてありますが、変数名はプログラマが決めます。データ種類としては、定数と変数です。数のデータには型の区別があって、大別して整数と実数です。これに文字データを含めます。文字は文字コードがありますので、数に準じた扱いができるからです。プログラミング言語側は、利用できる数と文字について型の定義を持っています。平たく言えば、この型が使えますと言う約束ですので、型名が予約語です。例えば、INTEGER, DOUBLEなどです。どのような型が使えるかは、プログラミング言語ごとに固有です。整数・実数の言葉自体は、単数形の普通名詞です。プログラミングでは、プログラマが定数名または変数名を決めて(宣言して)から、その名前で処理に組み込みます。その名前は固有名詞です。配列名は集合名詞を宣言することに当たります。その中身の要素は、個別に固有名詞を決めるのではなく、番号(インデックス:index)を付けて区別する方法を使います。宣言をした時点で始めて、その定数または変数の実体が、メモリの中に確保されます。したがって、使わなくなったときは、不要の宣言をする命令を持つことがあって、そのメモリ領域を別の目的に使うことができます。宣言なしに或る名前を使ってプログラム文を書くと、その名前は存在していない、または使い方が間違っていると言う警告エラーが通知されます。論理的な正確さを確保するためには、宣言の手続きが必須です。しかし、一般のユーザがプログラミングに挑戦するときには面倒な儀式です。
2010.7 橋梁&都市PROJECT

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