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7. 外国語としてのプログラミング言語

7.1 英語の常識が必要


7.1.4 外国語を覚える定石

 日本は島国ですので、他言語を話す外国人との話し言葉での交流の機会は、多くありませんでした。言葉を覚えるのは、耳で聞いて、相手との対話が基本です。明治以降、海外文化の吸収は、主に、欧米言語で書かれた書物の文字並びからでした。プログラミング言語の勉強は、話し言葉としての勉強を必要としません。見本のプログラミング文書を理解する一つの定石は、単語の意味を覚え、文法を理解し、実際にコンピュータを使って実行して納得することから始めます。このときの参考書は、単語の辞書と文法書に当たるlanguage referenceです。この勉強方法は、従来の英語教育で言えば、英文和訳の段階です。しかし、このマニュアルが素直に理解できない理由があることを、前々項で説明しました。プログラミングは、プログラミング言語を使う作文、言わば、和文英訳に当たります。このとき、何をしたいかを日本語で発想して、作業計画を論理的に組み立てます。和文英訳が正しくできたことの当否は、その作文をコンピュータが正しく理解して実行したことを確認することで行います。プログラミングに挑戦する前に、対象としている専門について、かなりの知識が必要ですし、さらに、日本語でも正しい文書が作文できる教養が重要です。元になる日本語での発想が貧弱であれば、良いプログラムもできません。
2010.7 橋梁&都市PROJECT

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