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9. データベースと文字処理

9.5 注意して言葉を選ぶ


9.5.3 キーワードの絞込み

 検索をするときのキーワードは、基本的にはシソーラスに載せた語を使います。キーワードを知らないと、データベースの利用はできません。一般の人は、シソーラスもキーワードも意識することなしにデータベースを使おうとしますので、データベースの機能を引き出せないことが起こります。また、プログラムの設計者の方でも、ユーザ側の専門的な要望が理解できないことがあって、ヒットしない死蔵レコードができることがあります。この原因の一つにデータ入力のときに文字を間違っている場合もあります。この解決には種々の工夫があります。思い付いた語を検索語に使う方法が自然語検索です。文字並びの解読処理を組み込みますので、検索効率は下がります。住所や氏名など、固有名詞を検索語にすると、一字違ってもヒットしません。そのため、他の条件を補助とした連想(association)で検索をしなければなりません。このとき、分類として決めておいた、より大きな概念のキーワードを使って探索します。したがって、このキーワードが使えるような全体のデータ構造を設計すると同時に、このキーワードが使えるようなユーザインタフェースを設計しなければなりません。ここに文字処理が必要です。思い付くすべての語を集めてキーワードにするのではなく、言葉を選んで、数を制限し、階層関係を決め、分類からの落ちや例外の救済を図ります。
2010.9 橋梁&都市PROJECT

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