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6. 文書の作成技術

6.2 言葉の理解から作文へ


6.2.2 話し方の教育も難しい

 文字に書いて相手に伝えるのは間接的です。直接的には相手との対話です。このとき、頭の中では伝える内容の論理的組み立てが行われます。その上で、会話(conversation)と討議 (discussion)での話し方が必要です。相手がありますので、マナー(方法)が必要ですが、これを大きく敬語の使い方としています。日本語に取り入れた英語のマナーは、礼儀の意義で使うことが多いのですが、作法の方が当たります。敬語の中身は大きく三つあって、尊敬語・謙譲語・丁寧語です。企業の新入社員の教育でよく扱われるのですが、本来は家庭環境で基礎的なしつけとして身に付ける課題です。会話と討議には、話しの受け渡しの約束(ルール)が必要です。一方的な喋りになる状況は、演説もそうですが、学校教育の場で教師側の発言に見られます。筆者の経験を言えば、お行儀の悪い聴衆も困りものですが、聴く側からの質問が無いことや、無反応であるのも寂しいものです。複数の人が討議をするときには、誰かが司会役をして交通整理をします。上記のマナーやルールに無頓着な人がいると、司会役は苦労します。
2010.6 橋梁&都市PROJECT

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