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9. データベースと文字処理

9.4 プログラミングする前の予備知識


9.4.1 ファイル装置との関連が重要である

 データベース開発の初期の時代は、ハードウエアとして、大量のデータを保存して、任意に読み書きできる記録媒体(ファイルシステム)を開発することから研究しなければなりませんでした。磁気テープは、大量の記録ができる媒体ですが、テープを巻き戻して頭から通して読み書きします。データを最後に追加することはできますが、途中への書き込みと書き換えはできません。これを順編成ファイルと言います。全体のデータ保存には向きますが、検索の効率が低いので、データベースの利用には向きません。この解決が、ドラム式またはディスク式の記録媒体の利用です。こちらはランダムにレコード位置を選択できますので、ランダムアクセスファイルと区別しました。データの検索は、何かの規則の下に或る範囲のデータを取り出す操作と考えることができます。大量のデータをすべてメモリに取りこんでから探す作業ができませんので、外部記憶装置の効率的な利用を計画します。そのためには、データの方も、検索に使うキーワードを含めたファイル構造の工夫が必要です。外部記憶装置を制御するプログラムが必要ですので、この検索プログラム部分をデータベースエンジン(database engine)と言います。これを利用するときの言語にSQL(Structured Query Language :構造化問い合わせ言語)が標準として提案されました。ハードウエアとソフトウエアとが密接に関連しますので、この全体をデータベースシステムとします。現在のパソコンのディスク容量はギガ単位ですが、初期のコンピュータで利用できる外部記憶装置は大きくなかったこともあって、科学技術計算用とは別のコンピュータシステムとして計画されていました。
2010.9 橋梁&都市PROJECT

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