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10. データベース言語SQLの解説

10.2 問い合わせの儀式


10.2.9 親元のプログラミングが面倒であること

 一般ユーザがネットワークを介してデータベースを利用する場面を考えると、少なくとも二つの情報を扱います。質問項目(クエリ)と回答項目(レポート)です。これをホスト側のプログラミングで扱うときは、該当する回答が複数になれば、ユーザ側には表の形で見せるのが便利です、一般ユーザは、プログラミングの実際には深入りする必要がありません。プログラマ側ではデータ構造を扱うときの用語を理解しておきます。データの中身がすべて同じデータ型であるときは、二次元配列を考えることができます。しかし、EXCELやACCESSの表で見るように、列方向は同じ型のデータが並びますが、行方向に並べる要素のデータ型は、同じにならないのが普通です。また、一つの表ではなく、複数の表に分けて作成しておいて、相互に関連(relational)を付ける方法も必要になります。ユーザが見る表の形式は、元のデータベースを設計したときの表形式とは別のデザインにしたいことがあります。ユーザ側は、回答項目を自分のパソコン側に写して中身を利用する方法を考えます。多くの場合、ファイルにして保存するか、そのまま印刷して取り出します。親元(サーバ側)が準備するプログラムは、一般ユーザに比べれば遥かに専門に詳しいプログラマが計画し、ユーザの要求を勘案して、ファイル装置へのアクセスと、データ入出力制御、そしてレポートの発行とを含めます。パソコンの性能が格段に進歩してきましたので、一般ユーザが自前でもデータベースを設計することもできるようになりました。例えばACCESSがそうです。そうなると、多くの勉強も必要になりました。一般ユーザは、プログラミングに専念するには限界がありますので、プログラマに協力してもらう必要があります。そのときの教養の一つが、専門用語の共通理解です。データベースに関連した用語には、ISO/JISのSQL規格で定義のあるものがありますが、他の規格で使われている用語も断りなしに現れ、また、マイクロソフト社が自社のマニュアルに使う用語などがあります。これらの用語のうち、幾つかを次節で解説します。
2010.10 橋梁&都市PROJECT

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