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10. データベース言語SQLの解説

10.2 問い合わせの儀式


10.3.2 スキーマ

 スキーマ(schema)は、schemeから派生した語ですが、英語環境でもかなり特殊な専門用語です。翻訳し難いので、JISもカタカナ語のままで使い、解説はありません。スキームには計画の意味があります。スキーマはデータベースを構成する要素をまとめて言う用語です。視覚的に理解するときは表の形にしますので、具体的には表と同義と考えるのがよいでしょう。しかし、データベースの対象を広く考えると、つまりオブジェクト指向データベースであると、いつも表にして表せるとは限りませんので、抽象的に言う概念にスキーマを当てたのだと思います。あまり評判の良い用語ではありません。規格の定義では、スキーマの集合をデータベースとしています。リレーショナルデータベースは、複数の表の集合を使うからです。しかも、SQLの規格ではテーブル(table)の用語も使います。表は行(row)の集合であるとし、行は列要素の集合です。行単位がデータベースの一つの集合単位であって、ACCESSではFIELDです。プログラミングでは配列で扱う単位です。しかし、一般に個別の要素のデータ型が同じではないので、プログラミング言語では扱い難いデータです。COBOLは最初からこの種のデータ集合を扱う設計になっていて、SQLとの相性がよい言語です。C言語では構造体(struct)を使って型の違うデータの集まりを一単位とし、その単位で配列を宣言することができます。古典的に使うBASIC言語では、構造体の定義がありませんでした。データベースのファイル構造を直接扱うようなプログラミングができません。SQLを埋め込み言語とし、それ介して、間接的にデータを扱う方法が工夫されます。最近(2010)のVisual Basicは、独立した言語製品として販売されなくて、Visual Studioの中に含まれるようになりましたが、構造体が使えるように改訂されています。一方、EXCELのワークシートは、印刷して使う表の原稿用紙をモニタに表示しています。データベースを作成する前のデータを整理するときに使い易いツールです。ただし、複数の表間に、データベース的なリレーション関係は構成できません。
2010.10 橋梁&都市PROJECT

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