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10. データベース言語SQLの解説

10.3 幾つかの用語の意味


10.3.3 モジュール

 モジュールは集合名詞です。プログラム単位または一単位として扱うデータ集合の一般的な呼び方(普通名詞扱い)です。プログラムもプログラム文の集合で一単位となるからです。モジュール単位は、それを組み込んで、より大きな集合に構成する要素の意義を持ちます。ハードウエアの構成要素もモジュールと言うことがあります。特定の目的と機能とを表す名前を付けて区別します。プログラム単位を言うとき、モジュール構成に何のプログラミング言語を使っているかを区別することがあります。例えば、Visual Basicで、フォームモジュール、標準モジュールのような言い方がそうです。クラスも、モジュールの意義の用語です。使い方(インタフェース)とその機能さえ知れば、中身の詳しい内容を知るまでもないとき、情報隠蔽(information hiding)になります。クラスの中で処理対象とするデータには、外部から値を取りこんで使うものがあります。クラスは、オブジェクトの仕様やデータ型や定義をもっていますが、実体はありません。したがって、クラスの中で扱うデータも、定義の段階では実寸法を持っていませんので、抽象データと言うことがあります。実体を作成するときは、プログラマが名前を付けて宣言する儀式が必要です。そのオブジェクトの実体をインスタンス(instance)と言います。これも日本語に訳し難い単語です。英語の「for instance」を「例えば」と訳しますが、具体的に例を挙げる、その実体の方を意味する用語です。データも、宣言を経て実体を作成します。そうすると、利用しなくなったとき、そこで使われていたメモリ領域を開放して、その領域を別目的に使うようにすれば、メモリを効率的に使うことができます。削除するまでもなく、別名で利用する方法も考えられます。このときは、クラスの定義に合った引き継ぎ的な使い方が要請されます。これに継承(inheritance)と言う用語が使われます。クラスモジュールの中で、処理コードの部分は、そのまま残して使います。
2010.10 橋梁&都市PROJECT

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