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12. 実用文書作成と話し方

12.3 実用文書のまとめ方


12.3.2 実用文書の三要素

 実用文書を作るには三つの技術要素があります。第一は、正しい文章が書けること、第二が書式、第三が全体としての体裁です。この三つの要素は相互に関連していますが、話の内容を整理するためのキーワードとして選びました。文書を作るときには多くの人手を経ますが、基本的な作業は上の三つそれぞれに別の人が当たります。文章原稿を書く人、それを決められた書式に編集する人、そして、体裁を整えて印刷製本を担当する人です。ワードプロセッサなどが無かった時代、原稿と言えば、400字詰めの原稿用紙に手書きで文章を書くことが作文でした。この原稿を編集者の所に持ち込めば、残りの作業はそれぞれの専門家が処理してくれました。そのため、普通の人は書式とか体裁については漠然とした知識しかなくても困りませんでした。従来の作文指導は、このような作業環境を前提としていたことを理解しておきます。ワードプロセッサが使えるようになって、小部数の簡単な文書は自分で作成できるようになりました。それは、第二、第三の作業も自分でできるようになったことを意味します。そうなると、いままでは専門家がしていた作業に関わることになりますので、特殊な専門用語を覚え、ワードプロセッサの操作に慣れ、パソコンを使うことに悪戦苦闘するようになりました。
2010.12 橋梁&都市PROJECT

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