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3. 名詞の話し

3.1 言葉を覚える過程


3.1.1 実物を見て名前を覚える

図3.1 専門性の高い絵入り辞書(Duden)
 幼い子供が言葉を覚えていく過程で使う最も基本的な言い方は、眼に見える物を前にした「これ何?」の質問です。親は、それに対して物の名前を教えます。同じことは、海外旅行をするときの基本的な言い方に使います。現地の言葉を覚える方法は、「これ何?」に当たる言い方を一つ覚えて、会話の糸口を作ります。英語ならば「What is it?」フランス語は「Que'est-ce que c'est?」です。相手は名前を教えてくれます。眼の前に物がないとき、絵本を介して子供は物の名前の言葉、文法的に言えば名詞、を覚えます。このとき、今までに見た経験の有る物に興味を示します。大きくなって、知的興味を満たすために参考にするのは、挿絵(イラスト)入りの百科事典です。使い方は、ランダムにページをめくって、絵に引かれて読む楽しみの他に、「見たことは無いが、話しに聞いた何とかとは?」のように、名前から実体を知ろうとするときに使います。Dudenは、挿絵入り辞書の先駆的なドイツの出版社として知られていて、各国語版があります(図3.1)。物についての大まかな分類概念が先にあって、詳しい名前や言い方の区別を知りたいときに便利です。内容は、専門性が強いのが特徴です。書棚に置いておきたい辞書として、フランス語ではPetit Larousse illustreも楽しめます(次項:図3.2)。インターネットで検索できる時代ですが、ハードカバーになった絵入りの辞書は長く愛用できます。  
2010.3 橋梁&都市PROJECT

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