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6. 文書の作成技術

6.4 書式


6.4.1 書式は用紙上の構成方法

 書式(form)は、用紙の外形も含め、文章・図などの必要項目の構成方法(structure)を指します。英語の用語説明では、formについてstructured documentとあって、構成や組み立ての意味を含みます。用紙の寸法に合わせて、余白や文字の寸法、その配置などに注意を払いますが、こちらは体裁であって、デザイン的な要素です。文書は、伝えたい用件に応じた書き方があります。例えば、履歴書や、何かの届けや申請をするとき出す書類は、書式の決まった印刷用紙が用意されていて、必要なところに書き込めばよいようになってきました。元々は、個人が手書きで書類を作成するのが原則でした。しかし、人によって形式が異なるのでは書類を受ける側が扱いに困ります。一般の人は代書屋と呼ぶ書類作成の専門家の手を借りて、必要充分な書類形式に整えなければなりません。印刷された申請用の用紙は、手書きの形式を踏襲して書式が作られています。代書をする人は、以前は司法書士を指していて、それなりの専門的な知識に加えて、文字をきれいに書ける素養が必要でした。昔の武家社会では、右筆または佑筆(ゆうひつ)と言う文書の専門家が殿様に仕えましたが、現代風に言えば秘書に相当する官職です。コンピュータのモニタ画面には、擬似的な作業用の領域を作ります。これを通称でウインドウと言います。プログラミングの用語はフォームです。
2010.6 橋梁&都市PROJECT

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