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5. 形容詞・副詞・助詞の話し

5.1 修飾に使う語の分類


5.1.3 和語の形容詞の語幹に当てる漢字がある

 日本語(和語)の形容詞の表記法は、前章で説明した動詞と同じように、語幹に漢字を当て、活用部分に送り仮名を使います。語幹に当てる漢字は、中国語でも同じ意味か、それに近い漢字です。しかし、その読みは、中国語とは全く別の訓読みです。語幹の訓読みに当てる形容詞用漢字(この言い方は筆者の造語です)の数は、常用漢字で読み方を決めているもので約140字あります。この内、ナ形容詞(形容動詞)として使う字数は約10%です(表5.1、表5.2)。二字を並べて音読みのナニ名詞に構成する漢字は、形容詞用漢字を組み合わせる方法で造語されます。常用漢字で、訓読みを使わない約束の漢字を、表5.3に示します。尤も、なかには、慣用的に訓読みで使う漢字もあります。漢字二字を組み合わせた「ナニ名詞」の熟語は非常に数が多く、語彙数を数えたことはありませんが、数百はあると思います。試しに幾つかの国語辞書で「優美」を引いてみて下さい。@名詞・形容動詞と品詞説明があるもの(角川:新国語)、A「〜な、〜に」の注記があるもの(三省堂:新明解)、B何も書いてないもの(岩波:広辞苑)、など、様々です。コンピュータ用の辞書を作るならば、「ナニ名詞」の品詞項目を立てるのがよいと思います。
2010.5 橋梁&都市PROJECT

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