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6. 文書の作成技術

6.5 体裁


6.5.5 単純なプリンタは書式が固定されている

 単純なプリンタの代表は、手動で操作するタイプライタです。英文用と邦文用があります。英文用は電動の装置がありましたが、邦文用(図5.1参照)は電動化が難しく、それに代わる装置としてドットマトリックスプリンタが開発されました。カーボン紙を挟んで、数枚程度までの複写が同時に取れるプリンタとして利用ができます。ちなみに、電子メールでCCと書いてあるのはCarbon Copyを表し、自分の控えに自分宛に送信することを指定します。現在ではコンピュータからの出力にレーザプリンタやインクジェットプリンタが使えます。こちらは同時に複数枚の複写ができません。したがって、部数を必要とするときは、同じ操作を複数回繰り返すか、高速の複写機、または、インクを使う高速の印刷機を持つ専門工程に頼みます。元に戻って、単純なプリンタは、活版印刷に比べると、書式の選択に制限があります。フォントは、原則として一種類です。このプリンタに文字データを送信して印刷するときは、フォントは、プリンタ側で持っています。文字コードを送信すると、指定する文字を順に打ち出す形で印刷が得られます。プリンタの一行当たりの文字数とページ当たりの行数が決まっていました。文字並びが行末に来れば、自動的に改行させることができます。しかし、ページの最下行での自動ページ変えの制御はありませんでした。テキストエディタのモニタ画面は、この単純なプリンタの印刷画面を表示するように設計されています。このとき、印刷制御に使う信号は、復帰(CR: Carriage Return)、行送り(LF: Line Feed)、タブ(TAB: Tabluator)、空白(SP: Space)、後退(BS: Back Space)です。これらは文字図形を持ちませんので、ファンクションコード(function code)と言います。テキストファイルは、ファンクションコードと文字コード(character code)としか含まないファイルです。なお、後退はテキストファイルでは機能を持ちません。
2010.6 橋梁&都市PROJECT

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