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6. 文書の作成技術

6.5 体裁


6.5.4 実質で扱う文書は体裁を無視する

 文章原稿は、文書の実質をまとめますので、最初、体裁を考えません。さらに、書式も省きます。原稿は、編集者のところで書式とレイアウトを指定する記号や文字を書き込んで、組み版工程に回します。この書き込みの英語がmarkupです。テキストエディタは、文字並びだけを編集するツールです。文字データだけを保存するフイルをテキストファイルと言います。日本語の環境では漢字と仮名を使う場合もテキストファイルとします。英語の文書は、英字・数字・記号だけを考えればよいので、文字種が少なくて済み、コード系が簡単になります。こちらを区別してアスキーファイルと言います。英字だけを使って電報を送受信する装置がテレタイプ(tele-typewriter)でした。電子メール(e-mail)は、テレタイプ利用の延長に位置していますので、基本的には書式情報を含んだデータを扱いません。通信回線を使って文書を送信し、送信側と同じ書式とレイアウトが受信側で再現できるようにするときは、書式情報を加えたテキストファイルを送ります。この情報は、文字と記号とを組み合わせます。これが組み版言語(markup language: ML)です。実を言うと、この章の始めに述べたように、MLを説明することがこの章の目的ですが、その説明の前段階として、文書作成の三要素の解説から始めたのでした。
2010.6 橋梁&都市PROJECT

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