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7. 外国語としてのプログラミング言語

7.3 動詞の意義と使われ方


7.3.6 動詞の代わりに演算子記号を使う場合

 算術の四則演算(加減乗除)の英語は、動詞のAdd, Subtract, Multiply, Divideです。COBOLは、これらの語が予約語であって、演算を指示しする命令文として使います。FORTRANでは、動詞を演算子記号「+, -, *, /」で表します。演算子を使う式の表現は便利ですので、COBOLでも、また、ほとんどのプログラミング言語で使うことができます。ただし、英米人は、式の中にあるこれらの演算子記号を声に出して言うときは、動詞に直して言う習慣があります。コンピュータは、四則演算のほかに論理演算と比較演算ができることが、電卓と異なります。COBOLは、最初から予約語を使う文章表現で演算処理を指示していました。テレタイプライタのキーボードのコード系(TTYコード)では、<, >, ^などの活字の字形が使えなかったこともあって、FORTRANでは演算子記号で表す方法に工夫が必要でした。例えば、COBOLでは、AND, OR, GREATER THANなどと使うところを、FORTRANでは「.AND.」「.OR.」「.GT.」のように演算子を決めました。IBM社が、図7.1に示した"101-key keyboard"を標準化したことから特殊記号<, >, ^なども使えるようになりました。
2009.9 橋梁&都市PROJECT

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