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1. 言語学が関与する環境

1.1 言語学が生まれた経緯


1.1.6 音声を直接扱う研究は難しいこと

 日本語のワードプロセッサ(ワープロ)でカナ漢字変換が利用されるようになって気が付いたことは、言葉は音として頭の中で発想されていることです。カナ漢字変換の判断ミスによる誤字・当て字が増えたのです。人口衛生(人工衛星)と変換しても、本人は気が付かないことが起こります。逆に、文字並びを見るとき、頭の中で声に直して理解しています。そのため、日本語の言い方を知らないと、日本語ワープロを使うことができません。英語圏の人が英文を日本語に直したいとき、英語で使える英和辞書で日本語を探し、その発音を日本語ワープロで漢字に変換しても、それが正しい日本語変換になる保証がありません。これは、他の言語ごとにある専用ワープロの使い方すべてに当てはまります。言語学は、文字に書いた文書を媒体として間接的に研究することで妥協しなければなりませんので、音(おと)の扱いに抜けが起こります。それでも良いのが、一例としてのコンピュータ言語学です。
2010.1 橋梁&都市PROJECT

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