目次ページ  前ページ   次ページ

9. データベースと文字処理

9.1 図書館の利用


9.1.1 データベースは軍事用語であったこと

 この章は、コンピュータに言葉を注意深く扱わせると言う見地からのデータベースの解説です。そもそも、コンピュータのソフトウエアとハードウエアを含めた全体開発の研究は、軍事利用を目的として、国家の手厚い保護と機密保持の下に進められてきた経緯(いきさつ)があります。高速計算を必要とする場面は、例えば、敵の軍用機(現在ならミサイル)を撃墜する高射砲の制御をするとき、軍用機の位置と速度などの測定データを使って、狙いとタイミングを素早く計算して弾丸を発射しなければなりません。科学技術計算以外のコンピュータ利用は、大枠としての事務処理です。オフィスオートメーション(office automation: OA)の言い方があります。"office, file, folder"などの用語は、事務処理の方から転用して使われるようになりました。事務処理の中の重要な課題の一つがデータそのものの管理です。データベース(database: DB)は、アメリカ軍の軍事用語に起源のある用語です。軍用機専用の飛行場をair baseと言います。軍事作戦は、データを収集して分析に利用します。この基地と言う意義です。ハイフンで繋ぐdata-baseを経て、1語のdatabaseと使うようになりました。
2010.9 橋梁&都市PROJECT

前ページ  次ページ