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9. データベースと文字処理

9.1 図書館の利用


9.1.2 図書館学は情報科学であること

 何かの書物資料を探したいとき、図書館(library)を利用することを思い付くでしょうか? 伝統的な管理方式は、書物(=書籍、図書、本、文書)を財産扱いしますので、分類番号を付けて整理・保存をします。目的の書物を探す(検索:retrieve)手助けに、図書カード(library card)が整備され、種々の目録(bibliography)も備えます。この全体の専門家が、図書館司書(ライブラリアン:librarian)です。もともと、情報学または情報科学(information science)は、大枠として文化系の専門に分類されていて、図書館学(library science)は、その一分野に位置づけられています。一方、コンピュータに関する学問の方は、computer scienceに分類され、主に理工系の専門の性格を持たせていますが、情報科学の性格もあります。ところが、日本では、コンピュータのようなカタカナ語を学問名にすることを避けるため、これを情報工学と言う大枠に含めたことことから、混乱が始まりました。コンピュータを利用するあらゆることを、情報処理と総称するようになりましたので、情報をコンピュータと読み替えるような解釈が通るようになってしまいました。図書館学にコンピュータの利用も必須になってきましたので、図書館情報学(library and information science)と言うようになりました。
2010.9 橋梁&都市PROJECT

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