目次ページ  前ページ   次ページ

9. データベースと文字処理

9.5 注意して言葉を選ぶ


9.5.5 リレーションを確立するために正規化をする

 データベースの構築が、理科系の感覚よりも、文科系の感覚が必要になる理由は、言葉(文字並び)の扱いがあるからです。橋梁について言えば、項目の主な見出しは橋梁名です。これは、人名なみの固有名詞扱いです。しかし、幾つかの橋桁単位を持つことがありますので、家族構成全体を一単位とするような集合名詞の性格があります。戸籍謄本のような管理用の書類があります。橋梁台帳がそれに当たります。専門的には個別の橋桁単位を対象としますので、ここから個人情報なみのデータが必要になります。架け替えなどで構造形式が変わることもあります。したがって、橋桁形式別に見出しを付けると、複数の同じ橋梁名が並びます。人名と同じように同名で別の場所の橋梁もあります。同じ橋梁でも、市町村合併などで住所表記の変更があって、記録と現実が一致しなくなることも起こっています。データベースの個別の項目は、変更される可能性のあるものが含まれます。この対応を便利に、かつ、確実にするように、データベースの項目の構造を設計しなければなりません。これを助けるのが正規化です。具体的には、項目を単一の表にまとめるのではなく、複数の表に分割し、重複を避け、相互に関連(リレーション)を付けることです。一か所の表で修正をすれば、すべての修正が済むような方法ができるように、表間のリレーションシップ(relationship)を設定します。これが、リレーショナルデータベースの言葉の始まりです。
2010.9 橋梁&都市PROJECT

前ページ  次ページ