目次ページ  前ページ  次ページ

6. 文書の作成技術

6.4 書式


6.4.3 印刷物の書式の項目は版組み指定に使う

 印刷物の書式項目は、活字の寸法・字体・組み方です。活字のデザイン上の種類をフォントと言います。出版社は、自社固有のフォントを使うことで個性を主張しています。日本語の印刷では、書式は、例えば、「A4版・横書き・明朝体・8ポ・25字詰め・50行・二段組み」などのように決めます。学術雑誌では、その雑誌固有の印刷仕上がりの書式が決められています。少し前までの学術雑誌は、著者の原稿に基づいて雑誌の発行機関の責任で活字を組みました。しかし、数式などが多い理工系の文書原稿は、組み方に特殊技能が要求され、校正も手が掛かります。コンピュータを利用して、著者が完成文書として準備することをDTP(desktop publishing)と言い、これで作成した図形原稿をそのまま写真製版することが普通になりました。この方式で作成する学術雑誌は、その雑誌の権威の象徴でもあった書式と体裁が失われ、掲載論文の実質的な内容で評価されるようになってきました。
2010.6 橋梁&都市PROJECT

前ページ  次ページ