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4. 動詞の話し

4.5 「態」の違いの表し方


4.5.1 送り仮名で助動詞の役目をさせる言い方

 「受身・使役・可能」の状態を言い分けるとき、日本語の動詞は送り仮名で区別し、語幹の漢字は同じですが、活用形の違う別の動詞形にします。英語では「助動詞be・動詞let・助動詞can」を使う構文に相当します。口語文法では、送り仮名の「(さ)せる」「(ら)れる」は、状態の区別に使う助動詞に分類しています。筆者は、品詞に細分することにこだわるよりも、送り仮名を含めた全体として動詞で扱う方がよいと考えています。自動詞は受身形が無いと説明しましたが、物理的には受身形を作れます。無いと言うのは、そのように使うのは論理的に成り立たないと言うことです。この使い分けは、書き手、または話し手の感性で判断することです。コンピュータに電子化した文書を理解させようとするとき、文学的で感性に関わる正誤の判断はできません。学術論文では、曖昧な表現を使わないようにしますので、コンピュータが判断できる文章解読の規則は必要です。この仕分けには、主語、目的語の性別に相当する生物・無生物の分類も必要です。
2010.4 橋梁&都市PROJECT

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