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2. 日本語文書の構造

2.1 読みの仮名表記


2.1.1 音節の単位と文字単位が異なること

 日本語は、音声を文字で表す最小単位が仮名です。音を表すので表音文字ですが、アルファベットに有るような、子音単独を区別する文字がありません。文字教育の最初は、仮名を教えます。明治以前は、「いろは48文字」、義務教育では「アイウエオ50音文字」になりました。この数には濁音と半濁音を含みません。仮名は片仮名と平仮名の二種の字体があって、使い分けができる便利さがあります。戦後の義務教育は、平仮名を先に教えるようになりました。英語の単語とは異なり、日本語の文字並び、特に仮名文字を隙間無く並べると、品詞の区切りが分かり難くなりますので、分かち書きも工夫します。意味を持つ最小単語並びに分ける一つの方法が形態素解析です。音声としての最小単位を、音節(syllable)と言い、一つの母音と複数の子音で構成されます。息継ぎや間も、音のない音節です。片仮名は、日本語の一音節単位を一文字で書き表しますが、子音構成が一つです。濁音(が・ざ・だ、など)は濁点を付け、半濁点(ぱ、など)は丸を付けた別の文字単位です。日本の和歌を仮名文字で書くときは、濁点文字を使いません。読むときに濁ります。和語は、半濁音(パ行)がないのですが、平安時代はパ行の発音があったそうです。銀行のATMコンピュータの画面で固有名詞を入力するときは、濁点「゛」と半濁点「。」が別単位の文字扱いですし、姓と名との間に空白文字も使います。「キャ・キュ・キョ」の拗音、「ッ」を添える促音は、小文字を当てます。そして「ン」は撥音を表し、別格扱いです。電報文はこのように書きました。
2010.2 橋梁&都市PROJECT

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