目次ページ  前ページ  次ページ

4. 動詞の話し

4.4 状態の違いを表す言い方


4.4.5 自動詞の受身形が無い理由

 自動詞は、主語自体が何かの動作をすることを言う言葉ですので、動作相手、つまり目的語を使いません。したがって、相手から同じ動作を返される言い方、つまり、受身形がありません。ところが、欧米語では再帰動詞(reflexive verb)の形があって、主語の動作の対象を主語に向ける他動詞的な言い方、例えば「I enjoy myself」があります。日本語では自動詞で言う言い方が、英語では再帰的に他動詞を使って受身形で使うこともあることに違和感を持ちます。これは、英語の動詞(例えばmove)は、自動詞にも他動詞にも使いますので、動作の対象を明らかにしたいときの言い方に現れます。話は少し変わりますが、コンピュータのプログラミングの技法として、再帰的プログラミング(recursive programming)があります。或るサブプログラムの中で、自分自身のサブプログラム名を呼ぶように作る技法です。欧米人の感覚では、素直に理解できるようですが、日本人には発想できない構文です。
2010.4 橋梁&都市PROJECT

前ページ  次ページ